第5回劇作家協会新人戯曲賞
1999年度
後援 一ツ橋綜合財団
一次選考通過作品一覧(21作品)
| 本日はお日柄もよく |
森本孝文 |
| ファミリータイム・セミナー |
中田満之 |
| 春菜 -ふりむいてよ、もっと優しく… |
森木エリ子 |
| むらむらするの |
佐藤正則 |
| 身がわり |
山田裕幸 |
| シオンの丘 |
山本弘人 |
| ニュアンサー |
大野敏哉 |
| 柘榴 |
棚瀬美幸 |
| 彼女たちは月にいる。 |
吉村八月 |
| HOME |
金井博文 |
| SAN -天使の生まれる場所 |
くらもちひろゆき |
| ハメルンのうわさ |
高野竜 |
| 無敵 |
岡田望 |
| 自然薯とニワトリ |
林万太 |
| 進め!ウルトラ整備隊 |
石沢克宜 |
| 月の氷 |
中村賢司 |
| 君万歳と歌えかし |
島田九輔 |
| 不測の神々 |
はせひろいち |
| バースのホームラン |
中出禎彦 |
| 海 |
北川徹 |
| 死が二人をわかつまで |
ゆうき淑乃 |
最終候補作品一覧(6作品)
| ファミリータイム・セミナー |
中田満之 |
| ハメルンのうわさ |
高野竜 |
| 無敵 |
岡田望 |
| 自然薯とニワトリ |
林万太 |
| 進め!ウルトラ整備隊 |
石沢克宜 |
| 不測の神々 |
はせひろいち |
受賞作
最終選考会は、1999年12月19日、紀伊國屋ホール(東京都新宿区)において公開で行われた。
審査員は、別役実、鴻上尚史、斎藤憐、坂手洋二、清水邦夫、横内謙介、渡辺えり子。
受賞作と最終候補作をすべて掲載した「優秀新人戯曲集2000」は、
ブロンズ新社から発売中(本体1,600円+消費税)。
ISBN4-89309-190-5 C0074
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総評/選考経過/選評
(劇作家協会会報「ト書き」23号より)
総評・選考経過
永井愛
今回の応募総数は164作、最終候補作となったのは6作品。公開審査会は12月19日、こまつ座公演中の紀伊國屋ホールで開かれた。審査員は別役実、清水邦夫、斎藤憐、渡辺えり子、鴻上尚史、横内謙介、坂手洋二の各氏、司会は小松幹生氏と永井愛。
審査会でもたびたび話題になったが、今回はSF的趣向の作品が最終候補作の半数を占めた。これらとも一部重なって、「静かな演劇」風の作品も大半を占めたと言える。この範疇に入りきらないのは、受賞作となった『ハメルンのうわさ』一作のみだろう。
膨大な長台詞、飛躍する筆致の荒々しさ。この作品の難解さに閉口しながらも、多くの審査員が心を動かされたのは、こぢんまりとした完成度など求めない作者の「書くことと格闘している」(清水)意志ではなかっただろうか。
一方、例年に比べて作品レベルが低いのではないかということも論点となった。一次、二次審査の段階では、私もそんな感想を抱いた。作品の善し悪しを云々する以前に「格闘する」ほどの「書くこと」を持っている人が激減したように感じられたからである。が、最終候補作6作を読んで、来るべき作品は来ていると一応の納得はした。
実生活で何かと格闘していなければ、書きたいことも生まれないだろう。そこらへんの自戒もこめて、力作の出現に期待したい。
<選考経過>
中田満之氏の『ファミリータイム・セミナー』は、家族を再生するための「先生」を招き、家出した兄の役割を演じさせている家族が舞台。着眼点や妹のキャラクターの面白さは買われたが、「実は先生が一番病んでいるのではないか。そこを有効に機能させていないのが惜しい」(清水)こと、兄の家出の理由、隣家との関係の曖昧さなどを「論理ではなく行動的にわからせる」(別役)ことなどがさらに求められた。
高野竜氏の『ハメルンのうわさ』は関東のある中学校で「ハメルンの笛吹き男」の伝説を調べる教師と生徒を中心に、生徒たちを奪おうと企む謎の二人組や、平将門伝説が絡んで展開する。「実に筆力もあり、構想も凄い。台詞のうまさでも舌を巻く。だが、実にわからない」(斎藤)に集約されるように、低地関東の文化的疎外を描きなぐったかのようなスケールには圧倒されながら、引用文献の多さ、多重構造、ハメルンと将門伝説の結びつきには、戸惑いを示した審査員が多かった。「すべてを中学生が演じるように指定してあるのはなぜか」(渡辺)、「この作者の一番いい部分は、(長台詞や難解なイメージよりも)先生と生徒の会話」(横内)などの意見も出た。
岡田望氏の『無敵』は、近未来を扱った作品。百年間負けたことのないサッカーチームをコンピュータで取材する男が、モニターに出てくる広報課の女性に恋をする。「恋愛を主題とした作品は応募作中では珍しい。筆力も有望」と横内氏が強く支持。「パソコンを通しての恋がリリシズムを伴って描かれている。ラストもナレーションに頼らず、パソコンを通じて恋の不在性が確かめられればいい作品になった」(別役)、「もうひとつ哀切な何かが展開してほしいが、手のひらに乗る可愛らしい作品として終わっている」(鴻上)、「読み物としては面白いが、動きを殺す設定が多く、舞台での上演作品としてはどうか」(渡辺)などの意見が出た。
林万太氏の『自然薯とニワトリ』は、自殺をはかって脳死状態になっている青年の関係者が夜の病院に集まり、淡々とした会話を交わす「静かな演劇」。「(状況を)高みから見ているようなスタイルが好きになれない」とした坂手氏以外は、「初めて書いた作品とは思えない」と、作者の筆力を評価した。特に「生命体が連続してゆくことへの畏敬の念が出ている」(斎藤)ことは共感を集め、清水氏、別役氏、「静かな演劇」嫌いの渡辺氏もこの作品を強く支持した。が、「修羅場が起きても不思議でない設定を作りながら爆発させない」(清水)で、登場人物の感情に抑制がきいている点については、「物を思わぬ人たちなのかと逆にリアリティがない」(横内)、「実際に子供が死んだらこうはいかない」(斎藤)との声もあった。
石沢克宜氏の『進め! ウルトラ整備隊』は「静かなSF作品」(坂手)といった趣き。「整備隊」と揶揄され、自衛隊の下働きに甘んじていたウルトラ警備隊の面々が、宇宙人だと名乗る男の出現をきっかけに奮起、ウルトラホークを飛ばしてしまう。「地球人対宇宙人の話だが、実は自分たちと違う人間への差別を描く批判精神があり、作品が共同体についての実験をする装置になっている。その問題意識を見せないうまさがある」と坂手氏が強く支持、横内氏からも評価を得たが、「風刺がダイナミックになっていかない」(別役)ところが、他の審査員には食い足りなかったようだ。
はせひろいち氏の『不測の神々』は、白衣の人々のいる研究所、カルト集団の住む水晶の村、神々のいる場所が交錯する。水晶の村は地球にあり、地球の歴史は神々のマージャンで決められ、宇宙そのものが、研究所の培養プラントに発生した超微粒の生命体だったという入れ子構造でもあるらしい。これがわかりにくいという意見が多く、「三つの世界の謎解きで終わっているのがもったいない」(鴻上)、「知念(教祖)が神秘性と俗物性を持ったまま死んでいくのはいい形だが、ドラマの動きが遅い」(清水)などの指摘もあった。
休憩後、鴻上氏から「受賞作は必ず出さなければならないのか」との疑問が出された。「例年に比べて水準が低く、推せる作品がない」のがその理由で、「佳作、受賞作なし」もありとするかで討論となった。
新人戯曲賞には奨励賞的な意味合いもあるから出すべきとの意見や、別役氏の「今回見劣りするとは思わない。受賞作の有無は具体的な作品論で検討すべき」との意見もふまえて、第一回投票(1人2票)へ。『ハメルンのうわさ』『自然薯とニワトリ』が最多の4票で並び、改めて受賞作を出すことを確認、最終投票(各1票)となった。
結果、『ハメルンのうわさ』が5票(清水、斎藤、鴻上、横内、坂手)で、『自然薯とニワトリ』の2票(別役、渡辺)を抑え、受賞作に決定した。
今回もたくさんの方々にご協力をいただいた。後援の一ツ橋綜合財団、紀伊國屋ホール、こまつ座の皆さん、審査に関わってくださったすべての劇作家に厚く御礼申し上げます。
選評
別役実
<現代を写し出す>
私は今回『自然薯とニワトリ』を受賞作として推した。これは、或る大病院の待合室に集散する人々を、いわば風景としてとらえたものであり、中心的な話題となっている自殺した青年の臓器移植の問題も、あくまでも風景であることを逸脱しないよう、配慮されて取り扱われている。そしてそれだけに、生命というものの生々しさが、的確に見定められているのであり、現代というものを写しとる文法として、成功しているように思われる。この関係者以外の患者たちが、もう少し構造的であったら、更に作品としての結実度を高めたであろう。
受賞作となった『ハメルンのうわさ』は力作であり、要所の筆力は確かに見事であるものの、全体に引用文の使い方が多すぎ、それに負いすぎている点が気になった。しかも前半と後半で、イメージが分断されるのである。思うに、作者の策した北関東の風土性とハメルンの伝説が、構造としてひとつのドラマの内に取り込まれなかったのではないか、と私は考える。
他の作品では『無敵』に関心を持った。パソコン通信を通じての人と人のふれあいを描いて、極めて素朴な手法ながら、何ものかを伝えていると考えたからである。もしかしたらこうした取り組みの中から、現代を写し出す新しい文体が生まれてくるかもしれない。
鴻上尚史
今年は、例年に比べて、少し低調に感じたのは、僕だけだったのでしょうか。
『ハメルンのうわさ』は、作者の会話を書ききる感性のみずみずしさに感動しました。ですから、いろんな引用は控えめにして、ご自分の言葉で書ききればいいのではないかと思います。
『自然薯とニワトリ』は、作者の力量に感動しました。生まれて始めて書いた作品が、この水準というのは、感動ものです。ただし、あるパターンに完全に乗っ取って書いていますから、ご自分のスタイルを見つけられればいいなと思います。そして、この作者は、それができる力量があると思います。
他の作品も、総じて最初のアイデアは面白いのに、“もうひと押し”があれば、どの作品もグランプリの可能性があったと思います。
斎藤憐
「文学賞でもそうですが、一つの賞の価値は受賞者のその後の活躍にかかっています」
「鶴屋南北賞」の第一回受賞者永井愛さんへの井上ひさしさんの祝辞(?)でした。
今回の合評で、応募作品のレベルが低いという意見と、新人賞は「がんばってもう一本かけ賞」なのだから受賞作ナシはナシだという話が出ました。
北九州での劇作家大会で、佳作だったマキノノゾミさんのその後の活躍を思うと、毎年活字にしている六本の中に自分の劇団の上演作品がないかと、全演劇人が毎年「新人戯曲集」に目を通してくださるようになればと願っているのです。
毎回一次選考から読んでいる身としては、SF的な作品があまりに多いように思い、不利ですよと申し上げました。SFものはともすれば、人物が非現実的で(当たり前です)、現実世界に生きている観客の共感を呼ぶのがむずかしいからです。SF的アイディアを一晩物に膨らませるには、独自の文体が必要です。古典的名作『アルジャーノンに花束を』や北村想さんの『寿歌』などは奇跡的な作品なのです。
選考の度に、完成度の高い作品を選ぶか、シッチャカメッチャカだけどどこかに個性が光る作品を推すか悩みます。なかなかよく書けているけれどテレビドラマにでいいんじゃないのと思える作品より、荒削りだが、個性的な作者を選んでいくとすれば、この道の先達たちにお願いして戯曲塾というようなものを作り、劇作という困難な道に挑戦を始めた作家の「その後」を手助けすることを始めなければと考えています。
応募者のほとんどが協会員でないことを考えれば、機関誌にこんなことを書いても無駄なのですが、「自分が劇作家だと思う人」を作り出すのも協会の仕事だと考えています。
坂手洋二
二次審査の段階から『進め! ウルトラ整備隊』を推した。他の最終候補を読んだ後も、この一本を推そうと思った。
そもそも『ウルトラセブン』のパロディである。借り物めいたアイデアも散見される。だが、他の作品と比べ、際立って読みやすくわかりやすい。平易であることじたいが作品の狙いに沿っている。管理社会への皮肉と「宇宙人」という「よそ者」に込めた比喩、それぞれ鋭さは不足しているが、「共同体」と「差別」のテーマを深読みできるところに注目した。後半にはベタな台詞が出てくるのだが、登場人物への感情移入を強制しない距離感を感じたので納得した。
他の作品は、正直いって読み進めることさえ困難なものが多かった。私が審査を担当した三回の中では、全体のレベルが最も低かったと思う。受賞作を出すことには賛同したが、迂闊にも授賞式のときまで賞金が五十万円に上がっていることを忘れていた。覚えていたら判断が変わっていたという訳ではないのだが、だって五十万円といったら……。
高野竜『ハメルンのうわさ』の野心は買うが、まだまだ推敲が足りない。
中田満之『ファミリータイム・セミナー』は、男言葉を使う「妹」が恋愛をする場面をいつか是非観たいと思った。
林万太『自然薯とニワトリ』には根本的な創作の衝動が不足しているように思われた。
同作への苦言。わざわざ「安藤奈津」という人物名を作って「アンドーナツ」「よく言われるんです」と言わせるのは、何か面白いと思っているのだろうか。この名前の人物を駄洒落のネタにする若手劇団は過去にも複数あった。いずれも全く面白くなかった。
二年ぶりに参加してみて、「最終候補作品が出版され、審査は公開で行う」という形がすっかり定着しているのを感じた。定着といえば聞こえはいいが、マンネリでは困る。
清水邦夫
『ファミリータイム・セミナー』は、家族の再生のため、ニセモノの兄が同居し、そこへ本物の兄が家出から戻ってくるという構造で、これはかなりスリリングだ。ただニセモノの兄がもっと病的なマグマを内在させた人物ならば、ドラマはさらに新しい世界を現出せしめたはずだ。
『ハメルンのうわさ』はオーソドックスながら、作者の構想は大きく、その情熱が様々な〈迷路〉を現出せしめた。こちらはその〈迷路〉をさまよいながら、へとへとになったが、ある種の快感があった。もう少しリズムを自在にすれば、その世界が観客の中へもっと流れやすいのではないか。
『無敵』は語り口のうまい作品であり、ラストは荒涼とした詩情がこちらの胸をうつ。ただその途中がこちらを〈新しい未知なるところ〉へ誘導してくれないのが残念だ。
『自然薯とニワトリ』はドラマの爆発のない造りで、それがユニークな緊張を現出せしめた。登場人物の個々がもつさりげないサスペンスも秀逸。唯一の欠点は、この長さでおさまりが良すぎること。ナタでばさっと切るように終ったら、もっとマグマが内包されたかも。
『進め! ウルトラ整備隊』は、一番笑った作品だ。宇宙人のキャラクターがあまりにも普通で、そこがきわめて独創的だ。とことん笑わせてくれるか、もっと深い闇をしつらえるか、どちらかに突き進めば、軽くて重い作品になったはず。
『不測の神々』は、近未来の話らしいが、教祖が型どおり死んでいく。この繰り返しは永遠のもので、そういう意味でこの作品は強固な型をもっている。この型を生かして、ドラマはもっと飛躍できないものか。
わたしは『ハメルンのうわさ』か『自然薯とニワトリ』のいずれかと思ったが、結局前者を選んだ。
横内謙介
個人的には岡田望さんの『無敵』が賞にふさわしいと思った。これは新人賞始まって以来、最も切ない恋愛劇である。全体のリズムも快適で無駄がない。特に百年無敵のサッカーチームという不思議な話題への興味から始まって、その調査の課程で主人公がある女性に出会って気がつくと恋に落ち、その興味が対人間に乗り替わっているという導入部の鮮やかさに感心した。別役氏から指摘のあった、ドラマの急所がすべて語りで処理されてしまうという欠点がいかにも惜しかった。この作家にはもっとリアルな設定の戯曲を書かせてみたい。
受賞作は正直にいって欠点だらけだと思う。たとえ作者の指定(全役を中学生が演じると指定されている)を無視し、大人の役者を配役しても複雑すぎて、とてもこのまま上演が出来るとは思えない。しかし、さまざまな欠点を補って余りある輝きも持っていると感じた。私は前半部分の教師と生徒たちの会話が好きだ。言葉が生命力を持って弾み、行間に詩情が漂っている。それに比べて後半の長いセリフはいかにもやり過ぎで読むのも苦痛だった。思い切って将門伝説を捨て、この学校の世界とハメルン伝説だけでまとめたら、この作者の良さがもっと出たのではないかと思う。しかし近年、これだけ欲深く野心に満ちた作品も珍しい。決選投票に残ったもう一作『自然薯とニワトリ』の方が作品のまとまりとしては上だと思ったが、高野竜さんの情熱に大きな可能性を感じて票を投じた。
渡辺えり子
今回は二次審査から参加したが、全体的におとなしい印象を持った。自分のためだけに書いた小作品が多く、芝居が好きでたまらないといった熱情を感じる作品が少ない。
乱暴でも破綻しても、作家の若さや個性が炸裂する作品が私は好きだし、それが新人戯曲賞の個性なのではないかと思っている。
最終審査に残った作品の中では、私は中田氏の作品が好きだった。実際に上演した作品ということもあるだろうが、役者の演技によって膨らむだろう余白の部分に想像力をかきたてられる部分が多い。箱庭に桜を散らすト書きと、ラストの台詞が印象的である。
受賞の高野氏は良い意味でも悪い意味でも普通じゃないと感じた。このしつこさ、このパワー、近頃ではめずらしい狂気じみた力技のある作家だろう。しかし、この作品を中学生だけで演じて欲しいという注釈がある点が気になる。それは中学生にとって拷問以上のなにものでもなく、ただ暗記させて調教させたいという姿勢がもしあるなら、芝居という柔らかな自由を愛していないということになろう。イヤーな感じがした。
林氏の作品はニワトリのくだりの台詞が面白かった。筆力のある印象を持った。
岡田氏のは近未来作品であるが、肌と肌や生きた言葉では交流できにくい現代の青年達の問題意識を突こうとした点は納得できた。しかしもう少し、するどく繊細に描いて欲しい。
はせ氏の作品は、実際に上演したものを観ていれば判るのだろうが、正直なところ本を読んだだけではテーマや輪郭がつかみにくかった。
石沢氏の作品は、読む前に著作権問題でいろいろと討議した経緯があり、私の方が期待しすぎてしまった。読んでみると、アッサリと軽く、「それでどうなの?」という素朴な疑問を感じたのだった。風刺ならもっと毒が欲しい。作家自身が世の中のどこにいるのか、その問題意識があまり感じられなかったということだろうか?
人の審査をしている場合ではないのだが、やはり誰かが犠牲になって審査しないと作品の発表の場は限られてくる。そんな真面目な審査員のためにも、命がけの作品を書いていただきたい。
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