『せりふの時代』は、日本劇作家協会責任編集の戯曲雑誌として、1996年秋に創刊。
毎号3~4本の戯曲の他、劇評・対談・エッセイ・コラムなどを掲載。
2010年1月時点の編集委員は以下の8名。
井上ひさし 川村毅 小松幹生 斎藤憐
坂手洋二 清水邦夫 永井愛 別役実 (五十音順)
ご購入は書店で。定価1,000円(本体価格952円)。


解説:佐藤優














選評 佃典彦
掲載 モスクワカヌ 『バースデイ』


矢島舞美 スマイレージ

辻萬長「ぼくの職業は新劇俳優です」第9回 最終回

篠井英介「カ ン ゲ キ」第16回 最終回

小松幹生「てーま主義者」第56回 最終回



ご挨拶
『せりふの時代』は今号をもちまして休刊いたします
1993年の日本劇作家協会設立時、戯曲雑誌の創刊は協会員一同にとっての悲願でした。
『せりふの時代』が創刊されたのはそれから3年後の1996年秋。以来14年間56号にわたり、当協会責任編集の季刊雑誌として発行を続けてまいりました。
戯曲の読み手の数は決して多くはありません。それは小説や詩歌や漫画などとは異なり、作り手と受け手との感応が、黙読によって完結されることを意図した表現形式ではないからかもしれません。
けれど、この度休刊になるとはいえ、『せりふの時代』は読者の方々に深く愛された雑誌でした。これまでこの雑誌を手に取ってくださったすべての方々に、心より感謝いたします。
また、この雑誌を14年間の長きにわたり継続して発行してくださいました出版社・小学館と、『せりふの時代』編集部の皆様に深く感謝しております。
戯曲雑誌の刊行は、いま再びの悲願となりました。
経済状況の芳しくない社会を鑑みればそれは容易なことではなく、また、もしかしたら戯曲の読み方や味わい方を知らせる機会を作ることをも、考えなければいけないのかもしれません。
けれど悲願とは、成就されるためにこそ存在します。
今号の末尾に、これまでに掲載された戯曲の一覧があります。
96年秋号巻頭の『赤鬼』(作:野田秀樹)から続く、数多くの新作戯曲。
それぞれの戯曲のせりふはそれぞれの時代を切り取りながら、『せりふの時代』の紙面に残されています。
バックナンバーのご購入や、図書館での閲覧により、数多くの“今”が繰り返し読まれることを切に祈ります。