戯曲セミナーってどんなところ?   
セミナーが「その先」につながる

土田 長田さんは昨年から講師もやっていますよね。

長田 はい。昨年も今年も後半のクラスを担当したので、書いたものをどうやって上演すればいいですかっていう質問が出ました。この先に一歩進むためにはどうしたらいいんですかって。

土田 まさにいいモデルだもんね。戯曲セミナーからプロの劇作家になった人だから。

長田 セミナーで最後に戯曲1本を提出すれば、先生の講評を受けられますよね。私は講評を伺って書き直して、それを“てがみ座”の旗揚げ公演にしたんです。

南出 あ、“らまのだ”の旗揚げ公演もそうです。さっき話した『ずぶ濡れのハト』(上演時には『青いプロベラ』と改題)。

土田 じゃあふたりともうまく移行してるんだね。

南出 ぼくはほんとに劇作家協会をフルに活用させていただいて(笑)。東京に出てきて誰も知り合いがいないときに「月いちリーディング」に応募して、それで協会リーディング部の方と知り合いになれましたし。

長田 私の講義では、旗揚げ公演でどうやって劇場の予約を取りに行って、大体どれくらいお金がかかったかも話しますよ。

土田 すごい実践的だね。

長田 あと私は、劇作家を職業にするなら、賞に応募しているだけじゃ仕事にはならないって考えてて、はっきりそう言ってます。演劇ってひとりでやるんじゃなくて、いろんな人と関わりながらやっていくものだから、まわりの人と一緒に働ける準備ができていますって示さなきゃいけない。だから、上演活動をしないことには職業にはつけません、上演はプレゼンの場としてやってくださいって。上演を目指すためにも、チケット収入がこれくらいで劇場の手付け金はこれくらいでって話します。

土田 なるほど。実は劇作家って、なる気さえあればなれちゃうんだよね。食えるかどうかっていう大きなハードルはあるし、もちろん才能とかあるんだけれど、やるって決めることがすごく大事だとぼくは思うのね。

長田 私の場合はほんと、最初は座組もなんにもなくて。でも1年後にはなんとかなるだろうと思って劇場に契約に行ったんです。座組揃うのを待ってたら上演はさらに1年後になっちゃうから、待っていられないと思って。

土田 ぼくは21歳のときに劇団を作ったんですけど、とにかく劇場に電話して劇団名を名乗って、もうめちゃくちゃおもしろいことになってるんですとか言って、劇場を3日間押さえて。劇団ってぼくしかいなかったんだけど名前だけ決めて(笑)。でも、そこからだった。

長田 そうですそうです。受講生の皆さん、私にはその「書き上げた後の最初の一歩」を聞きたいみたい。

土田 セミナーからその先に、どうやってつないでいくのかだよね。セミナー自体もなにかきっかけになった?

南出 ぼくは同期のなかに、演出を任せられる人を見つけました。東京で上演しようと思ったとき、貯金して名のある演出家に頼もうかなとも考えたんですけど、でもセミナーに通ううち、いま0合目にいて一緒に成長していける人と、遠慮も駆け引きもなしにやりたいなと思って。そしたらセミナーのリーディング発表で、とても上手な女の子がいたんです。ちょうどぼくが会社関係のイベントで二人芝居をやることになってた時期で、出演してくれませんかって誘ったんです。カラオケボックスで練習して、いろいろ話をして意気投合して。彼女なら演出も任せられるかなと思って一緒に劇団を立ち上げた。

土田 彼女も賞を取ったんだよね。

南出 若手演出家コンクール(2016)で優秀賞を。

長田 すごくいい出会い…!

南出 やっぱり同期だから、演出に不満だったら不満って言えるし。

土田 おんなじ地点から始めたからだね。

南出 そうなんですよ。お互い喧々諤々話せるからこそ、僕も彼女も幸運にも賞もらえたのかなと思ってます。


ここに来れば、なにかと必ず出会えます

土田 これから受講を考えている人に対して、なにか伝えることはありますか?

長田 戯曲セミナーは出会いの場です。来ないと出会えない。来さえすれば、なにかとは必ず出会える。

南出 何十人もいれば、自分にとっておもろい人が誰かいます。誰かはいる(笑)。

長田 いますよねえ。そして現代演劇に興味がある人が集まるから、お互いに自由に話せる土壌もある。

南出 いやほんとに、ぼくは経験があったうえで受けたから、ちょっと優等生じゃなきゃいけないみたいに思ったりしたんだけど、他の人が課題で書いたもの読んで、ああもう勝たれへんって(笑)。

土田 うん。戯曲って、自分はこうしてますよって方法は教えられるけど、その方法で面白いことを考えられるかとか、ちょっとしたセンスとかは、本人の問題になるわけだよね。でもさっきの5行・10行の台詞を書く講義でも、なかにはパーンってうまい子がいる。それを見つけられる場所にもなってるのかな。方法を知ることによって、自分の才能の方向に気づいていく。

長田 逆に、こんなにも自分ができないのかっていうことにも気づきますよ(笑)。

土田 長田さんと南出くんみたいに、劇作家として活躍できるきっかけにもなるかもしれない。

南出 セミナーに来る動機は、劇作家になりたいっていうことじゃなくても別にいいかなと思うんです、どんなものでもいい。演劇を楽しみたいとかでもいい。ただその動機が強いほうがいいだろうと思いますね。強い動機をもって、それを自分で叶える場所だろうなって。
[了] 
(文責・国松里香) 

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12月13日(水)〜17日(日)
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『アカメ』

1月19日(金)〜28日(日)
虚構の劇団
『天使は瞳を閉じて』

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