短編戯曲の創作ヒント!

─── リーディングフェスタ2019 戯曲に乾杯!───


《短編戯曲を書くヒント》

[山田裕幸からのヒント]
・リーディング部のメンバーによる選考会では、だいたい2本ほどがすぐに決定し、残りの作品をみんなで議論することが多いです。すぐに決まるものの特徴としては、切り口の斬新なもの、つい「そう来ましたか」と言ってしまうような作品が目立ちます。思い切ったチャレンジができるのも短編戯曲の面白さかもしれません。
・15分以内の短編では、登場人物は上限5人くらいまでがいいと思います。状況の説明を延々するのはやめて、いきなり始めるのがいいと思います。なぜこれを書くのか? そして自分ではない他者が読むことを意識して書くのがいいと思います。


[丸尾聡からのヒント]
・短編戯曲は最初が肝心。まず2分以内に、主人公が何をしたくて、あるいは何に困っていて、その障害となることがわかる。それが肝心です。
・3人目が重要。凡庸な短編はえてして、2人の登場人物の会話から始まり、3人目の人物が登場しても「場」が動かない、展開していかないことが多い。


[長谷基弘からのヒント]
○営み・行為・行動から、短編劇を構想する方法
1)大前提として、いきなり台詞から書き始めずに、きちんと「構想」したり、全体像を設計したりしましょう。また、登場人物は3人、シーンは1つだけ(場所や時間が決して飛んだりしない)がお薦めです。超お薦めです。
2)では構想に入っていきましょう。
・15分程度の短編の場合、たくさんの要素を盛り込めません。逆にワンアイデアを拡げて構想を練っていくと、見やすくて面白い劇がつくれます。
・ではその「ワンアイデア」とは? 何を思いつけば良いのでしょうか。それは、シチュエーションだったり、キャラクターだったり、テーマだったり題材だったりいろいろです。が、ここはコツとして「誰かが何かをしている様子」をお薦めします。
・劇は人の営み・行為・行動によって構成されます。なので、「人がなにか印象的な行動をしている姿」から構想を始めるのが、(特に短編では)最も効果的で効率が良いと思います。今回の「棘」から思いつく行動はなんですか? どんな人が何をしてるところですか?
・例えば、善良きわまりないはずの家庭人が炊飯器に毒を入れようとする姿、とか。そういった姿を思い浮かべたら、なぜ、なにがあってそうなってしまったのだろう、その後どうなる? そこはどんな場所? その人は幾つくらい? どんな格好? 男? 女? など、想像を膨らませていってください。もちろん想像するだけでなく、アイデアは全て文字に書き起こしていってください。
・そうしていくうちに、劇をつくる上で必要な、キャラクターやシチュエーションもだんだんとできていくかもしれません。(ちなみに人物の事細かな設定は不要です。観客は登場人物を「人間」として見、その行為・行動から人物像を想像します。人は、設定でできてはいません。劇も同じです。設定に溺れると人を浅くしか見ていない駄作が生まれます。)
・さらに、その姿が舞台上に現れるのは、始まって10分~12分くらいの箇所、と考えて下さい。劇は「誰が何をする」「次に誰がなにをする」のつながりで作られています。その姿の直前はなにがある?
その姿の後はなにが起きる、などを考えていきましょう。また、書き起こしたアイデアを、時間軸のなかで適切な箇所に、誰かの行為・行動の形でちりばめていきましょう。そうしていくうちに構成ができあがります。
3)そこまでやってから台詞やト書きを書いていきます。が!
書いているうちに構成を外れた行動を登場人物たちが勝手に取っていくことがあります。そういう時は気持ちを落ち着け、構成を読み直しましょう。構成が正しい場合もあり、登場人物が正しい場合もあります。後者なら、構成を直しましょう。


[ハセガワアユムからのヒント]
・戯曲は何かしらのテーマを持つべき、または嫌でも産まれて来ると思います。ただ漠然と挑んだとしても、初稿から朧げながらテーマが浮かべば、それに即して整えればいいのです。初期衝動も大事ですが、整える作業が完成度を上げます。
・作品のテーマを尋ねると、分からないと答えたり怒ったりする人がいますが、自分が答えられないようなテーマは作品にしても伝わりません。それは書けてないか、無いのです。もし悩んだら、棘からインスパアされたテーマを一番大事にしてみてください。好きな台詞も削り展開も変えましょう、 テーマに対して独り善がりを止めると、戯曲が彫刻のような美しさや正しさを持ち始めるのです。くだらないギャグですら美しく感じたら、もう完成です。

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