第26回劇作家協会新人戯曲賞選考経過


受賞作

竹田モモコ『いびしない愛』



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<審査会の模様>
左上から:川村 毅(司会)、坂手洋二、わかぎゑふ
佃典彦、桑原裕子、土田英生、
赤澤ムック、マキノノゾミ、
渡辺えり


<授賞式にて>

左:竹田モモコ、右:渡辺えり(日本劇作家協会会長)


最終候補作

『キラメク!』  有吉朝子 (東京都)
『サカシマ』   斜田章大 (愛知県)
『椅子は椅子』  ビト (奈良県)
『春の遺伝子』  河合穂高 (岡山県)
『いびしない愛』 竹田モモコ (大阪府)
『(一)変容する日々 (二)燃料用ガスがあたえられたとせよ』泉晟 (広島県)

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最終審査員

 赤澤ムック 桑原裕子 坂手洋二 佃 典彦 土田英生 マキノノゾミ わかぎゑふ 渡辺えり
 司会:川村

*第26回劇作家協会新人戯曲賞の総合情報はこちら

選考経過   川村 毅

 ウイルス感染予防のため、初めてのオンライン審査会となった。
 まず一作品につき二名の審査員がコメントを述べた。

 『キラメク!』について、桑原氏は「よく調べて書いているが、思想がキャラクターになってしまっていて個性が描かれていない。」 坂手氏は「類型的であるが意図的なのかどうかがわからない。筆力はあるが、いい感じにまとめすぎている。」
 『サカシマ』について、佃氏は「救いようのない話だが、爽快に感じる。あらゆるマイナス要素をまず肯定するところがあり感心した。」 わかぎ氏は「自分には書けないタイプのもので、すごいと思った。が、現場にどうバトンを渡すのかが疑問。」
 『椅子は椅子』について、赤澤氏は「応募してきたのが挑戦状のように思えた。読むのが難しかった。」 渡辺氏は「イヨネスコの『椅子』のパロディと思って読み進めると演劇自体のパロディとして読めた。演劇で遊びをしている壮大な作品。ラストに疑問を持った。」
 『春の遺伝子』について、マキノ氏は「科学と倫理の問題が作者の知見をもとに書かれていて現代的であり勉強になった。壮大さに圧倒されて脱帽だ。」 土田氏は「面白く読んだ。知識が付け焼刃でないとわかった。豚とわかるまでが長い。」
 『いびしない愛』について、わかぎ氏は「会話が性急過ぎるのに気になった。モノローグを会話にして欲しかった。」 桑原氏は「面白く読んだ。どの登場人物も好きだ。コロナ禍のことをよく書いてくれた。」
 『(一)変容する日々(二)燃料用ガスがあたえられたとせよ』について、坂手氏は「読み進めるのがつらい。学校が嫌いだったことを思い出し息苦しかった。」 赤澤氏は「読みやすかった。2010年度から青春ものはマンガに負けているが、これはマンガに勝てたかも知れない。」

 六作品のコメントが一巡したところで、今度は一作品ごとのフリートークとした。
『キラメク!』に渡辺氏は登場する人物のモデルが実名で書かれていないことに疑問を呈した。マキノ氏はそれについて「史実をフリーハンドにしたかったのであろうが、仮名にしたのは逆効果。」と同意を示した。『サカシマ』に対してマキノ氏は「これは小説だ。」と意見を述べた。渡辺氏は「男をつぶすラストは今の日本のダメな政治家への暗喩だ。」『椅子は椅子』では土田氏と渡辺氏が、ラストに意味をつけ過ぎたと指摘した。『春の遺伝子』の前半はデビッド・ヘアの報告劇を思わせると坂手氏は指摘した。『いびしない愛』をマキノ氏は「大好き。ひたすらうらやましい。」と大絶賛した。『(一)変容する日々(二)燃料量ガスがあたえられたとせよ』に渡辺氏は「見慣れた光景だ」として高評価を示さなかった。「男と女の決めつけが強く、女性蔑視を感じる。」と述べたが、わかぎ氏は「そうは思わない。中学生はこんなもんだ。」と反論した。

 様々な意見が出たところで第一回の投票となった。審査員それぞれが二作品を推すという設定である。
 結果は『キラメク!』投票者なし。『サカシマ』に佃氏の一票。『椅子は椅子』は土田氏の一票。『春の遺伝子』には坂手氏、佃氏、マキノ氏、わかぎ氏、渡辺氏の五票。
『いびしない愛』は赤澤氏、桑原氏、坂手氏、土田氏、マキノ氏、わかぎ氏、渡辺氏の七票。『(一)変容する日々(二)燃料用ガスがあたえられたとせよ』は赤澤氏、桑原氏の二票という結果になった。



<投票結果> 小さい丸が1回目、大きい丸が2回目。

 休憩後、審査再開となったが、意見は概ね出尽くした感があった。いつもこうしたものである。一票で孤立した審査員に「応援演説を」などと促したところで、そうしたものには審査員は休憩前に言い尽くしているもので、それを繰り返したところで大逆転劇が起きるわけでもない。
 票が集まった『春の遺伝子』『いびしない愛』の二作品に絞って二回目の投票が行われた。結果は『春の遺伝子』、坂手氏、佃氏、わかぎ氏の三票。『いびしない愛』が赤澤氏、桑原氏、土田氏、マキノ氏、渡辺氏の五票となった。
 そこで最優秀作は竹田モモコ氏の『いびしない愛』に決定した。
 初めてのオンライン審査会で慣れないこともあったが、私見を述べると思いの外、無駄な時間帯なく議論が伯仲出来たのは、オンラインという特性が逆に功を奏したと言えやしないだろうか。





選評

審査員8名
 
 1月末頃掲載予定





<一次投票の様子>ひとり2作品、番号を書いた紙を提示
 

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